イタリアと自転車のきっかけ

イタリアへの想い

話しは2019年5月にさかのぼる。
昔から話に出ては消えていた家族との海外旅行を2020年2月に行くことに決めた。
私、妻、大学4年生と1年生の娘達の4人の家族旅行だ。
長女は2020年4月から社会人として巣立っていき、一人暮らしを始める予定だ。
なかなか実現しなかった家族4人の海外旅行だが、長女がいよいよ社会に出る最後の最後でようやく実現した。
”最後の晩餐”を眺めながら、我が家の”最後の晩餐”となる旅行である。
イタリア旅行が決まってから、あることを考え続けていた。

「イタリアでの家族の思い出を永遠のものにしたい」
「イタリアの思い出が家族の絆の象徴であるように、なにかイタリアに関する趣味を始めたい」と。

旅行に行ったら置物やお土産をたくさん買って帰るだろう。
ヴェネチアの仮面は間違いなく思い出の品として買いたい。
しかし何かそれだけでは虚しい。
写真立てに飾った記念写真が年月と共にセピア色に色褪せていくように、モノは必ず風化してしまう。

「なにかイタリアに関連した趣味を持ちたい」

そう思いしばらく時間をかけて模索をしていた時に目に留まったのが、イタリア・メーカーの自転車Bianchi(ビアンキ)だった。

長い間、運動をしていない。
健康のために運動を再開するのは悪くない。
ビアンキの自転車を漕ぎ、神奈川近郊の峠や林道を走ったり、横浜や都心の街を走りカフェに立ち寄る。
自転車を趣味にするライフスタイルのイメージが膨らんできた。
ビアンキの自転車との時間を共にする限り、家族との絆は色褪せることなく続くように思えてきた。
たとえ娘たちが結婚・出産、引越しなど、それぞれの人生をさらに進んでいこうとも。
自分の乗っている車がちょうどロードバイクが入るサイズであることを知ると俄然、本気になってきた。

ここからは早い。
近所のスポーツセンターに通い始め、6月末には初めてのロードバイクをビアンキ横浜店で買った。

これが自転車と繋がる、少し変わったきっかけである。


(終)
2020年2月1日

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