2020年イタリア旅行 6 ー 旅の終わり

イタリアへの想い

最終日はローマ・コロッセロを訪れた。
真っ青な空。



時間も早いので少し肌寒い。
ここを観終えると旅行は終わりだ。
コロッセロはブルース・リーの映画「ドラゴンへの道」でも使われた場所だ。
中に入って、一通り歩いて見て回る。
1900年ほど前に、1万人が収容できる建築物を作ったというのが驚異的だ。
かなりの部分が風化されているので、なおさら当時の完成した状態で満員の人が熱狂して剣闘を観ていた状況を想像したくなる。

コロッセロを出ると、バスに乗りフィウミチーノ空港へ向かった。
滞在期間、家族4人けがや病気もなく、スリ・盗難にあうこともなく無事、帰国できた。
長いようで短かった家族4人のイタリア旅行はこうして終わった。

大学生の娘達二人はイタリア各地を楽しんでいるように見えた。
部屋は親二人で一部屋、娘達二人で一部屋と別々の部屋だった。
娘たちはここ数年、一つ屋根の下で過ごしながらも生活のペースが微妙に違い、家での会話が少なかったが、もともと仲の良い二人、イタリア滞在中はずっとべったり一緒だった。
まるで小さい頃に戻ったように。

最初の二日はホテルのシャワーのお湯がまともに出なかったこと。
イタリアのホテルではクレンジングが部屋に装備されていないことに驚いて、忙しいツアーの中、クレンジングを買うために店を探し回ったこと。
いろいろ小さなハプニングはあったが、若い二人はそんなこともあっさり忘れて、イタリアの”非日常“の異国の景色を楽しんでいるように見えた。

親としては、自立する前に一度は海外に連れて行って、視野を広げる体験をさせたかった。
親の勝手な”義務感“だったが、長女が巣立つぎりぎりのタイミングで、旅行を実現させたのは、大きな重荷を一つ下ろしたような気分だ。

イタリアの乾いた空気と青い空。
ヴェネチアのカンツォーネを聴きながらゴンドラで川を進んだ情景は、いつまでも娘二人の記憶に美しく残ってくれているだろうか?

イタリアの旅は終わった。
長女は一人暮らしを始める。

寂しがってもいられない。
自分は新たな趣味、サイクリングを再開することに決めた。
新しい自転車もオーダーした。

新しい人生が待っている。


(終)2020年3月1日

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