秋谷~佐島から眺める海

サイクリング

7月はずっと雨が続き、未だ梅雨明けの兆しが見えない。
そんな中、昨日の土曜日は夕方、雨が上がったのを見届けて家のそばの定番コースを2時間ほど走った。
そして今日は午前中こそ曇り空だが午後は晴れるという予報。
曇り空で気温が上がらないうちに久しぶりに湘南国際村あたりを走ろうと思い、家を出た。

逗葉新道を出て駐車場に車を止めた時点で青空が見え、陽ざしが熱い。
久しぶりに解放された気分で自転車を漕ぎだす。

前回よりも長時間乗るためのペースで走ったため、かなり余裕を持って湘南国際村に着けた。休憩もせずにそのまま坂を下り、湘南国際村センター入り口の交差点に出ると、この間と同じように左折をして秋谷まで下っていく。



カフェやレストランが左右に連なる坂道を下っていく。
急に気温が上がったせいか、風が強い。
地形的な要因の方が強いかもしれない。
下りでうかつにスピードを出していたら横風にあおられ、ヒヤッとした。
そしてだいぶ下ったところのトンネルに入ると、この1か月間雨続きだったせいか、
トンネル内に入り込んだ雨水がぬめっとした感触で道一体、延々と伸びている。
ここもやっかいで何とも言えない感触のトンネルを、スピードを抑えながら走り続ける。
これも長梅雨の影響だろうか。

坂を降りきると、秋谷の海が見えた。
海と空以外、何も見えない景色を見るとほっとする。
しばし佇んで交差点を行き交う車や海を眺める。

そして今降りてきた道を登り、再び湘南国際村を目指す。
こちらからの登りも前回よりは余裕を持って登ることができた。
そして再び降りる途中で、海が見えるポイントで止まり、ここからの景色を眺めた。
車だとここに止めるのは難しいので、これも自転車ならではの楽しみだ。


葉山越しに湘南海岸が見える。
湘南海岸を客観的に傍観しているような気分だ。

再び先ほどと同じ道を降りて秋谷の方に出ると、134号線を南に向かうことにした。
ほどなく右手海岸側に、かつてお洒落な輸入家具店「GRANT」があったのだが、このビルが現在、取り壊し中のようだ。
建物はまだ残っているものの、窓は取り壊されている。
空洞の建物の窓の先に見える海は、数十年前、自分が学生時代、ウインドサーフィンをやっていた頃の華やかな景色が、大切にしていた写真フレームの中の景色のように見えた。

その先の立石公園駐車場に立ち寄る。
ここに来るのは久しぶりだ。

久しぶりに見る立石と、その奥の松の景色は相変わらず見事だ。
ここでも海を眺めながら、しばし、ぼおっと風を受けて立っていた。
遠い学生時代のことが自然と頭に浮かぶ。

立石公園駐車場を出て、さらに南下する。
車が多く狭い道をあてどなく走り続ける。

佐島への案内板が見えたところで、佐島に向かうことにした。
すっと行けるかと思ったが、軽く一山超える羽目になった。
佐島はヨットハーバーがあるが、ヨットと釣りをやる人以外は、なかなか気軽に来ることはない土地だろう。
地元の人以外、人はいなく、小さな湾にたどり着いた。
右手の木々の上空には、猛禽類と思われる鳥が5~6羽、旋回を続けていた。



葉山といい秋谷といい、三浦半島西側の海岸は共通した雰囲気がある。
漁港の色彩が強く、遠く右手に湘南海岸や江の島が景色として見える。
じっくり砂場に腰を下ろして海を眺めると、ここに住んでいる気分になる。

今日は佐島で折り返すことにした。
秋谷から左折して同じ道を上り、逗葉新道の方へ向かい、駐車場に向かった。
車で服に着替えると、ランチを取るためにまた同じ道を走らせ、前回同様、Jazzの流れるカフェ「Breeze Terrace Shonan」に向かった。

店内のJazzが身も心もクールダウンさせてくれる。
食事をしながら店内奥を見ていると、飾っている一枚のLPが気になった。

アニタ・オデイだ。
きっとマスターが好きなのだろう。
私もハスキーな声のボーカルが好きだ。
家に帰ったら久しぶりに聴いてみよう。
ビリー・ホリデイも久しく聴いていない。

そんなことを思いながら、食後のホットコーヒーを飲み終えると、店を出た。
自宅に戻ったら、久しぶりに見えた青空が夕陽で少し赤く染まる景色を窓から見ながら、Jazzに浸ることにしょう。


(終) 2020年7月19日

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