梅雨明けの湘南の空

サイクリング

長い梅雨が続いた。
今日、8月1日(土)は朝は雨だったが8時頃には止んだ。
午前中から午後3時ごろまでは晴れ間という予報を見て、
いつもの境川サイクリングコースから江の島に出て134号線を茅ケ崎まで通り、そこから湘南平を目指すことにした。
往復約80km。あまり頑張って走らなくていいから80km~100kmぐらいを走りたいと思っていたので、ちょうどよい距離だ。ただし湘南平の坂道はだいぶハードだが。

コロナウイルスCovid-19感染者が国内で増えている。
自転車のソロ・ライドで、人やモノの接触には最大限、気を付ける。
こんな日がいつまで続くのだろうか?
もっともロードバイクを漕いでいる間はコロナのことなど忘れている。

今日は久しぶりに青空が見えている。
春に通った境川の桜並木はもう青々と生い茂っている。
自分にできることは元気に過ごすこと。
皆が元気に明るく過ごすことで見えてくる未来があるはず。

江の島付近を出てから134号線以後の道は自転車では初めてだ。
Garminのナビを信用して若干わかりにくい道を何度か曲がると海沿いの134号線に出た。
鵠沼あたりの海岸を少し見てみた。

思えば久しぶりの湘南の海岸だ。
これから平塚まで134号線を走る。
最近峠や坂道ばかり走っているので、何十キロも平坦な道を走るのは新鮮な気持ちだ。
何人ものロードバイクやMTBを乗る人を見かける。
声をかけなくても、同じ道を走っているのを見るだけで、何か共有している気になる。
皆、わき目もふらず自分のペースで懸命に走っている。

自分は道に迷わないよう、平塚に近づくにつれ、サイクル・コンピュータのナビ画面を見ながら走り続けた。
それでも曲がる道を二度間違えた。初めて走る道はもっと事前に調べて頭に入れないとだめだ。と、毎回新しい場所を走るたびに思っている。
毎回、道に迷いながら反省しながらも同じことを繰り返している。
この先、少しは進歩するのだろうか?

134号線を離れる手前で目を奪われる景色に出会い、自転車を止めて見入る。



いよいよ湘南平に向かう。
1.5kmの短い道とはいえ、ロードバイクやMTBを乗る人達の間では激坂で知られているところだ。
覚悟を決めて登っていく。
序盤はあまり無理をせず力をセーブする。
中間の400mが激坂で有名なストレートな坂道だ。曲がりくねっておらず400m先まで続く坂が視界に見えているのが、自転車を漕ぐ人間にとって非常に苦痛だ。視界が与える影響は大きい。
今日はこの坂を、タイムはともあれ、まずは足をつかないで登りきることを目標にしてきた。
しかし予想通りかなりきつい。
ここ1~2カ月で体力や坂耐性も少しついたと思っていたが、10%超の長い坂は自分にとってはまだ難産だ。
激坂の中盤で足をつこうか?考えた。
ただ足は大丈夫そうだ。
後は心拍次第だ。
息が切れたらもう仕方ない。
息が持つまで漕ぎ続けよう。
そう思って漕ぎ続けた。
ストレートの激坂の中盤を過ぎた。
なんとなくいけそうな気がしてきた。
3/4まで登ったら、もうここで止めるのはあまりにもったいない。
ひたすら頑張ることにした。
この先もまだ坂は続くのだが、まずは難関を乗り切ろう。
幸いにも心拍はMAXを継続しつつも倒れずに登れそうだ。
ストレート坂を登りきると、傾斜が緩んだ。
また一カ所、きつい坂が始まった記憶があるが、なんとかそれも乗り越え、
ゴールを目指した。
結局、それ以後あまり激しい坂はなく、無事、展望台のレストランが見えた。
足をつかず、何とか漕ぎきった。


頂上から見える湘南は美しい。
とても穏やかな海岸と空だ。
上空に浮かぶ白い雲はとても表情豊かだ。

息を整えながら景色を眺める。
展望台の上部に上がると、南京錠がたくさん掛けられていた。
湘南平は、恋人たちが永遠の愛を誓って南京錠をかける「愛の南京錠」発祥の地らしい。
今では平塚市が「鍵かけモニュメントainowa」としてアピールしているようだ。

今日の青空と愛の誓いの連なりはよく似合う。
苦労して坂道を登ってきた甲斐があったものだ。

空を見上げる。
どうやら関東の梅雨が明けたらしい。
不思議なぐらい時間が止まっている感じがする。

ここで愛を誓い合った若い人たちの記念の錠達は、湘南の海と青い空を見ながら、永遠に幸せを祈っているのだ。


(終)
2020年8月1日

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