芸術の存続

のんびり街を行く

2020年4月5日



横浜界隈、馬車道から133号線を神奈川県庁を抜けて、大さん橋までを自転車で走った。
懐かしい場所だ。
昨年乗っていたロードバイクも、今乗っているクロスバイクもビアンキ横浜店で買っているので馬車道界隈はよく来る。
また、以前、ポートレート(人物)撮影を趣味で10年以上やっていた時に、大さん橋は格好のロケーションだったので何度か撮影したことがある。
この辺りは思い出の多い場所であり、好きな通りだ。
距離があるので自転車で走るのがちょうどよい。
開港広場前・交差点あたりは神奈川県外から来た人にとっては、”横浜に来た“と感じられる景色だろう。
人通りは少ない。
マスクをして人との社会距離は十分あけて通るようにする。
もっとも午前中早い時間なので人はほとんどいない。
”活気のある横浜”の景色が再び見られるのは、だいぶ先のことだろう。

気になる場所に足を止めては写真を撮る。
神奈川芸術劇場の前では「マンマ・ミーア」のポスターが置かれていた。


ミュージカルは昔から好きで、この劇場では昨年「パリのアメリカ人」を観た。
新型コロナウイルスの影響で当面は公演中止のようだ。
このポスターを見て、気になる場所を思い出した。

馬車道界隈に来る途中、3月にオープンしたばかりのKT ZeppYokohamaや、今月25日オープン予定の「ぴあアリーナMM」の建物が見えた。
立派な規模のライブ会場が立て続けに横浜にオープンしたというのに、新型コロナウイルスのお陰で予定公演は軒並み中止・延期という事態に陥っている。
運営会社や公演予定のアーテイスト及び関係者は深刻な打撃を受けているだろう。

音楽・芸術を愛する自分としては、アーティストが苦しんでいる状況を想像すると胸がつまるおもいだ。
これだけコンサート会場が増えた横浜が、さらに文化的成熟度を高める機会のはずだったのに、大変残念だ。
イタリア旅行に行った時には、ミラノ・スカラ座の内部を観る機会に恵まれた。

帰国してからは、ミラノ・スカラ座で行われたオペラの公演DVDを数本買い込み、何度も観て楽しんでいる。
イタリア・オペラ界における最高の舞台、スカラ座。
シーズンは12月7日の聖アンブロジウスの日に幕を開ける。
人々は心待ちにシーズンを待ち、熱狂的に公演を楽しむ。
伝統がアーティストと観客を磨き上げていく。
そしてその土地は格調高い文化の地となっていく。
横浜はその下地がある地域だと思いたい。

2つの大型コンサート会場の晴れ晴れしいスタートは、新型コロナウイルスの影響で大きくつまづいた形となってしまったが、そう遠くない時期にいずれかの会場でコンサートを観る日を楽しみにしている。

(終)


2020年4月5日

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