ビーナスライン~八ヶ岳高原ライン

サイクリング

いつか行きたいと思っていたビーナスラインと八ヶ岳高原ライン。
10月半ばから急激に冷え込み、路面凍結や本格的な冷え込みが始まる前に今年中に行きたいと思い、10月30日(金)に仕事を休んで1泊2日で両コースに行こうと計画していた。
目的は綺麗な景色の撮影。そして何よりこの贅沢なロケーションのコースを十分な時間を使って、いろいろな場所に寄り道をしながら2日間、今年の集大成として楽しもうと思っていた。
せっかく行くのだし撮影目的もあるので綺麗な青空が必要条件で天気予報とにらめっこの毎日だったが、ここへきて予定していた日の天気が曇り時々晴れと芳しくない。
それ以後の週だと冷え込みも厳しそうで断念か?と思ったが、昨日、天気がよさそうだったので、思い切って撮影メインで走るコースを限定して日帰りで両方行くことにした。
天気予報を見ると早朝までは雲が残るものの朝から晴れ。
気温は8度~15度の見込み。

朝3:30前に起床し、4時には自宅を出発。景色メインなので午前中の陽ざしの綺麗な時間帯にビーナスラインに先に行くことにした。向かうは白樺湖。
東名から圏央道で八王子を通り中央自動車道をひた走る。


途中は雲に覆われた空が続いていたが、諏訪南IC手前からは近くに見える山脈、それほど高くない地点に壮大な雲が覆っている光景を見て感動。

神奈川県あたりでは見られないダイナミックな雲の躍動感に山梨県・長野県の自然の魅力の入り口を見せられた思いだ。中央自動車道を降りてからも続く山間の景色に高揚しつつ白樺湖に7:30に到着。

気温は4度ほど。思いのほか寒い。
北の空をみると雲の流れは早いもののまだまだ厚く空をふさいでいる。9時ごろから青空が広がると信じ、9時出発に決めると、付近を散歩したり車の中で時間を過ごした。

湖の名前の由来通り、白樺が並んでいる。
駐車場に来る途中、朝の陽ざしを受け、銀色に光る白樺が見えた。見事な輝きである。
読み通り、9時近くになると北の空は青空が広がってきた。
予定通り9時にスタートする。

着こんでの出発とはいえ寒い。
それでもいざビーナスラインに入って勾配を登っていくと、右側の山は金色に輝き、左側は壮大な山脈と空が広がる景色が目に飛び込んできた。

ここまで苦労して来ないとお目にかかれない景色だ。
数百メートル、ロードバイクを漕いでは立ち止まり、カメラで撮影する。

山間の遥か彼方に富士山が見えたのは感動した。
山梨・長野県側から富士山を見たのは初めてかもしれない。

山間に暑い雲は残っているものの、壮大な光景の数々は、神奈川県に住んでいる人間にとっては非常に新鮮で、圧倒的な広さの景色だった。
体は悲鳴を上げているが、脳は視界から受ける刺激を受け高揚し続ける。

ロードバイクで来てよかった、と思えたのは、車の駐車場以外の絶景ポイントで自由に止まって撮影できたことだ。富士山がよく見えたポイントはそういった場所だ。
自転車の自由さ、気ままさを感じた瞬間だ。

今日は八ヶ岳高原ラインも行かなければならないのでビーナスラインは霧ヶ峰までと決めていた。時間の関係で1時間ほど景色と撮影を楽しみ、寒さに震えながら下り終え、車に戻った。帰宅してから気づいたのだが、霧ヶ峰富士見台を過ぎてしばらく上った駐車場が目的地かと思い満足して引き返したのだが、実は予定していたUターン場所はドライブイン霧の駅だった。残念。
ただビーナスラインの魅力には十分取りつかれたので来年また暖かくなったら、1日かけてもっと長距離を堪能したい。

白樺湖まで戻ると寒さはそれほどでもなかった。
1時間以上かけてようやく道の駅こぶちざわについた。
もう時間は12時すぎ。暖かい。ウインドブレーカーはいらないと思ったが一応フル装備で出た。ただし冷え防止のシューズカバーは外して出発した。
こちら側の気温こそ最高14度だと信じて。

八ヶ岳高原ラインは最初の2.5kmが急坂が続く。その後は平坦や下り坂もあったりしてゆっくり登りながら16.5km先の目的地である川俣川東沢渓谷地獄谷にかかる東沢大橋にたどり着く。
距離的にはいつも上っている箱根・大観山へ上る椿ラインとほとんど同じだ。獲得標高は椿ラインの方が長い。体力のバロメーターとなる物差しがあるのは心強い。
想像していた通り、16.5kmずっと絶景が続くわけではない。木々に囲まれた坂道を延々と走っていく道だ。この点も椿ラインと同様だ。
飽きるほどの坂道をひたすら上るのは椿ラインで慣れている。
結局、ノンストップで東沢大橋にたどり着いた。

象徴的な赤い橋には多くの観光客が訪れていた。
無事目的地に着いたものの、2つの大きな誤算が待ち受けていた。
一つ目は、午後1:30近くになり東沢大橋の背景に見える八ヶ岳や空はどんよりとした雲で覆われてしまっていた。山の天気は変わるのが早い。
今回は一眼レフカメラと三脚まで背負ってきたのに、結局三脚は全く使わずじまいで終わった。二つ目の誤算は天気が変わり、東沢大橋を頂点として上部数キロは冷たい風が吹いており、霧ヶ峰よりも遥かに寒かったことだ。
東沢大橋が見える場所からカメラで撮影を終えると、体は芯まで冷え切ってしまった。
この近辺で昼食をとるような悠長な計画も止めて、持参していたエナジー系捕食を食べるとそそくさと下りの道を急いだ。
”とにかく寒い“
帰り道は幸いにも、下り基調だが時々登り道もあるし平坦部分もある。
帰りは下り坂だろうが、とにかくペダルを全力で漕いで体を少しでも温めることにした。
私を通り過ぎる車の人達は、なぜ下りなのに一生懸命自転車を漕いでいるのだろう?と不思議に思ったに違いない。
当の本人は必死だ。
“ここでパンクなどしたらアウトだな”という思いが頭をよぎり、自転車やタイヤの無事を祈りつつ、帰路を急いだ。
中盤まで差し掛かると寒さは和らいだ。
そしてそのまま無事、駐車場までたどり着いた。
道の駅は、何事もなかったように穏やかだ。気温も15度はあるだろう。
トレーナー一枚で歩ける気温だ。

ビーナスライン、そして八ヶ岳高原は両方とも限定的ながら、日帰りで走ることができた。
今年はもうこういう標高の高いところは終わりだろう。
満足して自宅に向かう途中の中央自動車道。
遅い昼食は結局、双葉サービスエリアで取ることにした。
時間にして15:00過ぎ。
このサービスエリアからは富士山が望める場所があるということで、食事前に先に富士山を眺めることにした。

午前中、ビーナスラインから見えた富士山と比べるとかなり近くに見える。
しかも雲はだいぶすっきりして中腹辺りにまだらに残るぐらいだ。
これで見納めと思い、じっくり時間をかけて眺めた後、サービスエリア内のレストランで食事を取った。
そして双葉サービスエリアを後にした。
中央自動車道の進む先には富士山が見える。富士山に向かって進んでいくような道のりなのだ。
驚いたのは、雲が全くかかっていなかったのだ。
甲府昭和ICを過ぎると、雲が全くかかっていない富士山が大きく視界に見えた。

寒さに耐えた一日だったが、最後の最後で、ビーナスが微笑んでくれたかのような綺麗な富士山を拝むことができた。

(終)


2020年10月25日

コメント

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