昭和堂 ヘミングウェイ・カフェ

のんびり街を行く

以前、紹介した喫茶店・昭和堂。少し店を休んでいた時期があり、その後も私が行くたびにたまたま休んでいる日が何度も続いていた。今回は車で前日店の前を通り、空いているのを確認してやってきた。

以前、マスターと話した時に、マスターは井上陽水が好きだと言っていた。
ちょうどその頃、雑誌PENの井上陽水特集号を買ったばかりなので、今度来るときには持っていこうと思っていた。それが何度も開店のタイミングと合わず、ずいぶん時間が経ってしまった(そう、一度は来ていたのだが、その時は雑誌を持ってくるのを忘れた気がする)。
ともあれ久しぶりにマスターの元気な顔を見る。
今日は、メニューを見て、別ページで解説が書いてある”ヘミングウェイ・コーヒー”が気になり、オーダーしてみた。マスターが、ヘミングウェイ・コーヒーの由来を解説してくれた。なんでもマスターなりにヘミングウェイの好きな珈琲を想像して創作したもので、最初の二口は上の方を飲んで、それからはスプーンでかき回して飲んでください、もし苦ければミルクを足してください、というお作法付きのものだ。
喫茶店はこうでないといけない。お店のこだわりのメニューが一品はあって欲しい。
もっともこちらのお店は他にもこだわりの品だらけだ。
ヘミングウェイ・コーヒーの味に話を戻すと、味はチョコレート風味で非常にコクがある。
かなりコクがあり、”今まで飲んだことのない味”だ。
強烈なインパクトの味を開発するこのお店の奥深さに改めて感動する。
そしてお礼に、ペンの雑誌をマスターに渡した。陽水ファンのマスターは感慨深そうにページをめくり眺めてくれた。
恐らく私よりもマスターの方が”陽水愛”は強いだろう。この雑誌はマスターが持っている方が相応しい。

行きも帰りも雨に合わず、ようやく昭和堂にこの本を届けることができた。


(終)2020年9月21日

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